不安定な演奏

こんにちは、コンムジカnodaです。

レッスン、特に体験レッスンにおいて、子供でも大人でも、よく弾けているように見えるけど、不安定な演奏を聴くことがたまにあります。

よく弾ける例えで、ピアノコンクールを受けるような小学生、英国王立検定3級合格の小学生、大人の方で黒鍵のエチュードやドビュッシーの喜びの島などを弾けるレベルの方etc..

テンポも曲に合ってるし、指も回ってるんですが、不安定。。
本人の自覚も結構あります。
だけど、一見よく弾けてるので、そこから切り込んで根本の問題を直そうとしないか、直す必要性を見出さない先生もいます。

もし本人が望まなければ無理に直す必要もないのかもしれませんが、そのままいくと、何か人前で弾いたり、本番ではスリリングな恐い演奏になってしまいますし、そのままたくさん練習してしまうと、身体に故障が出てきてしまうので、できる限りは安定した演奏ができるように改善していけるといいと思います。

不安定な演奏になる原因

不安定な演奏になってしまう原因は主に2つ。

1、脱力した自分の奏法に出会っていない
2、基本の拍子にのれていない

1、脱力した自分の奏法に出会っていない

脱力ができていないということは、鍵盤に面している指先が鍵盤の重さや腕の重みを受け止め切れていない、または、必要以上に鍵盤を押し込んでいる、状態なので、いずれの場合も自分にとってのベストバランスを捉えきれません。

ここで、普通に立っている状態を思い浮かべる、または実際に立ってみてください。その時、どこかにめちゃくちゃ力をいれていますか?身体のどこかでがんばらないと、真っすぐ立っていられませんか?
そうではないですよね、多くの人は、どこに力をいれなくても倒れずに真っすぐを保てていると思います。

その理由は、

頭の先から背中を真っすぐ通って足の裏まで、上手い具合いにバランスが取れているからですよね。

ピアノを弾くときの手も同じことが言えます。
背中、お腹、肩、腕、手首、指すべてが正しい脱力をしてバランスを保てる。その状態で弾くと、指先は安心して地に足をつけるように、鍵盤を捉えていきます。

2、基本の拍子にのれていない

曲の難易度に関わらず、指が回る回らないに関わらず、認識し忘れている人が多いのが、拍子

奏法に問題はなくても、ふわふわした演奏になってしまったり、不安定になってしまう箇所などがある場合、拍子がなくなっていたり、拍子の捉え方が良くない、という事が考えられます。

強迫、弱拍、裏拍を正しく理解して弾かないと、たちまち音楽的におかしな箇所がでてきて、無理に指だけで弾き進めようとすると、不必要に力みが生じたり、音楽の流れに乗れなくなるなどして、結果不安定な演奏となってしまいます。

不安定な演奏へのアプローチ

不安定な演奏へのアプローチ方法

1、脱力
2、拍子の意識

1、脱力

はい、とにかく脱力です。
腕や手首が力んでいると、重みが指先にのらないので不安定になってしまいます。
意識しないと、なかなか自分が力んでいるということに気が付きません。なので、脱力、ということはどういうことか、なぜ脱力が必要なのかを理解することが大事です。

ひじ、腕、手首はとにかく力を抜いて、指先の感覚を取り戻します。
方法は腱鞘炎の解決方法をご参照ください。
https://con-musica.net/?p=211

力が入って弾いていたものを完全に抜くと、しばらく不安定になり、まともに弾けなくなりますが、 身体が本来のバランスを取り戻すまで 根気強く取り組みます。自分のバランスを見つけると、身体は楽な状態で、指先の感覚を感じながら弾けるようになります。

2、拍子の意識

とにかく、その曲の拍子に乗って練習します。
基本の強迫、弱拍などを意識して丁寧に音符や休符たちと向き合います。
その基本にのっとって、フレーズ、呼吸を意識して音楽の流れに乗って弾くと、こんがらがったものがすっと腑に落ちるように安定した演奏へと導いてくれます。

まとめ

安定した演奏、良い演奏には、基本が大事ということですね。
脱力は、理解したからといってすぐに出来るようになるわけではないので、忍耐と努力が必要です。ですが、ここを超えて、また、拍子など改めて音楽の基本を踏まえてピアノを弾くと、レベルがぐっと押し上がり、より一層音楽を表現することが楽しくなります。
本番やレッスンでなにか不安や違和感を抱えて弾いている方はぜひ試してみてください。


腱鞘炎~脱力について考えたみた~

腱鞘炎の解決方法の記事で、“脱力”と”頭の使い方”が、鍵だと書きましたが、今回は、力を抜く、ことにフォーカスしたいと思います。

重さ50g、深さ1cmの鍵盤に対して、無駄にガチガチに力を入れて複雑な動きを毎日毎日していたら、それは身体が故障してしまいます。

だから、もちろん、無駄な力を入れない、いわゆる脱力は必要です。

ただ、完全なふにゃふにゃだったら、何も出来ないですよね。だって、座って腕を上げて、指をコントロールしないといけないですもの。

そこで、提案したい言葉が、”バランス“です。

ここで、普通に、真っ直ぐ立った状態を例に出したいと思います。

寝転んだ状態と比べて立ってる時って、ガチガチに力を入れてますか?

入れてないですよね。

それでも何故立った状態をキープできるのか?

立つだけでなく、どうしてがんばらなくても真っ直ぐに歩けるのか。。

それは

バランス

がとれてることによって、出来ているのです。

頭の先から、首を通って腰、足の先まで、骨が身体の真ん中に通っていて、バランスを保っているんですよね。

だから、たとえば、足首を本来のバランスから外れた角度や向きにしたら、立てないか、身体のどこかにギュッと負荷がかかり、それを続けていたら、その箇所は炎症を起こすかもしれません。

ピアノの場合も同様に考えることができ、

座った状態で足、腰から背中、肩やうで手首、指先に至るまでバランスがとれてないと、その本来のバランスから外れたものを補うために負荷をおっている場所が、だんだんと痛みに変わり、炎症を起こし、ひどくなれば腱鞘炎へと発展してしまいます。

そして、その本来のバランスというのは、身体が知っているので、先ずは無駄な力というものを認識して、それを取り除き、本来のバランス、を取り戻していく必要があります。

そして、そのバランスは、自分の中にある音楽的感覚とともに見つけ出すことが大切です。

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