エチュード、最後まで辿り着かない?

私の場合、高校に入ったあたりでショパンの練習曲を弾き始めたのですが、、曲の途中から腕に乳酸菌が溜まってきて腕が疲れて重くて最後まで行き着けないw無理矢理いきついても、腕の疲労感が半端なく、手首にも痛みがあることも多々ありました。

先生に痛みのことを訴えても、気合いが足りない、とか、力を抜いてーと言った言葉がけのみで具体的な解決法は何もなく、腕の重みや痛みを騙し騙し弾いていました。

腱鞘炎問題を解決しようと決めて向き合ってわかってきたことですが、手首や腕の重み、痛みが生じている場合、その部分を緩めなさい、力を抜きなさい、と言われて一瞬そうしたとしても、すぐに元に戻ってしまいます。

なぜなら、その不都合が生じている、痛みがある部分に負荷をかけて、バランスを取ることによって指を動かしているのですから。。つまり現在の脳ミソは、不都合な部分でバランスを取らないと指が上手く動かないよ、と思ってしまっている状態です。

本来なら、痛みが生じるような不都合な負荷を手や腕にかけなくても、どれだけ長い早く弾くパッセージも跳躍する箇所でも楽に弾けるようしたいですよね。それには、身体が自然なバランスを保って柔軟に対応できるようにならないといけません。ここでいう「バランス」とは、座ってる時の姿勢、腰、背中、肩、腕、手首、指の第1〜第3関節までが無理なく、ポジションを保っていることです。つまり、真っ直ぐ立った状態と同じことです。よく「脱力が大事」と言いますが、寝転がった時の全身脱力とは違うわけで、直立や普通の歩行でも余分な力や身体のどこにも負荷をかけなくても上手く身体が動くように、ピアノでも腕や手首に余計な負荷をかけなくても思ったように動く状態にできます。

さて、その失ってしまった本来のバランスを取り戻すのが難しい、というのが現実です。特に大人の人は長年の癖が身体に染み付いて、それを頭が記憶してしまっているので、それを1度リセットするのが1番難しいです。

本格的に取り組んだら、一時は曲を弾けなくなるかもしれません。

だけど、せっかくの大好きなピアノ、生涯を通じて長く弾いていきたい、難易度の高い曲でも弾いていきたい、という思いがあったら、やはり身体が故障しないように弾く弾き方、というのを身につけたいですよね。

原因は人それぞれなので、ここでは解決のヒントになるようなことをいくつか書いておきたいと思います。

①指の第1関節が機能しているか
②指の第3関節は機能してるのか
③拍子にのって弾いているか
④音をよく聞いているか

①指の第1関節が機能しているか

第1関節、この部分で支えられていないと腕の重みを感じるのも、鍵盤のコントロールも出来なくて、腕や手首に負荷がかかってきます。

②指の第3関節は機能しているか

ここが凹んでいると、指全体が動きにくくなって早いパッセージを弾くときに、手首をふってカバーしようとするため腕や身体に負荷がかかりやすくなります。

③拍子にのって弾いているか

音楽には呼吸とともに強迫、弱拍があります。それを無視して弾くということは、呼吸、自然な動きから外れる、身体、手に負荷がかかるということになります。例えば、音楽の流れ的には拍をアップビート(弱拍)でいきたいところ、ダウン(強迫)に無理やり弾いてしまったりということです。

④音をよく聞いているか

音をよく聞くということは、頭の中にまず音楽があって、実際に自分が奏でた音はイメージした響き、音が鳴っているか、または音楽の流れをチェックする、ということです。音を聞いていない時は、実際は響きのバランスが崩れていたり、流れを無視してしまって、結果余計な力が入っていたりします。気付かぬうちに。。

まとめ

ショパンのエチュードが最後まで弾けない。。途中で腕が重くなって辿りつけない、最後まで弾いても手首に痛みが、、などの症状がでるということは、指が独立してない、ピアノを弾く概念がずれてるなどの理由で身体が上手く使えてない結果です。難しいのは、原因は一つでなく複数の要因が重なっていることが多く、音の聴き方や指先への伝達方法は感覚なので目に見えないということが言えるかと思います。なので弾き方、座り方などの見た目から入る情報だけを真似して直しても根本の解決に至らないことが多いです。
これまでの時間をかけて染み付いた感覚を修正する、ということは簡単なことではありませんが、生涯を通して末長くピアノを弾いていくためにも肉体的に負担がかからない弾き方を見つけて欲しいと思います。

腱鞘炎~脱力について考えたみた~

腱鞘炎の解決方法の記事で、“脱力”と”頭の使い方”が、鍵だと書きましたが、今回は、力を抜く、ことにフォーカスしたいと思います。

重さ50g、深さ1cmの鍵盤に対して、無駄にガチガチに力を入れて複雑な動きを毎日毎日していたら、それは身体が故障してしまいます。

だから、もちろん、無駄な力を入れない、いわゆる脱力は必要です。

ただ、完全なふにゃふにゃだったら、何も出来ないですよね。だって、座って腕を上げて、指をコントロールしないといけないですもの。

そこで、提案したい言葉が、”バランス“です。

ここで、普通に、真っ直ぐ立った状態を例に出したいと思います。

寝転んだ状態と比べて立ってる時って、ガチガチに力を入れてますか?

入れてないですよね。

それでも何故立った状態をキープできるのか?

立つだけでなく、どうしてがんばらなくても真っ直ぐに歩けるのか。。

それは

バランス

がとれてることによって、出来ているのです。

頭の先から、首を通って腰、足の先まで、骨が身体の真ん中に通っていて、バランスを保っているんですよね。

だから、たとえば、足首を本来のバランスから外れた角度や向きにしたら、立てないか、身体のどこかにギュッと負荷がかかり、それを続けていたら、その箇所は炎症を起こすかもしれません。

ピアノの場合も同様に考えることができ、

座った状態で足、腰から背中、肩やうで手首、指先に至るまでバランスがとれてないと、その本来のバランスから外れたものを補うために負荷をおっている場所が、だんだんと痛みに変わり、炎症を起こし、ひどくなれば腱鞘炎へと発展してしまいます。

そして、その本来のバランスというのは、身体が知っているので、先ずは無駄な力というものを認識して、それを取り除き、本来のバランス、を取り戻していく必要があります。

そして、そのバランスは、自分の中にある音楽的感覚とともに見つけ出すことが大切です。

腱鞘炎を治すために試したこと

こんにちは、コンムジカ野田です。
数年間悩まされてきた腱鞘炎。
ある時、この問題に向き合おうと決めてから、試したことと感想(すみません、結構ネガティブ)を書いてみたいと思います。

①ピアニストの動画を見まくって弾き方の研究、マネ
②奏法に関する本を読む
③アレクサンダーテクニックの講座に参加
④手の痛みについて記事を書いていた先生のレッスンを受ける
⑤指の強化に特化した先生のレッスンを受講
⑥分析能力を上げる

ピアニストの動画を見まくって弾き方の研究、マネ

まず、弾き方が悪いのでは、と考えて、たくさんのピアニストの動画を見て弾き方を観察したりマネしたり、イスの高さを変えたりしました。

参考になった面もありましたが、意識が表面の見た目、フォームだけにいくようになり、結果的に状況が悪化。
弾き方は、頭や身体の中で起こっていることの表れであり、弾き方がそうだから素晴らしくピアノが弾けてる訳ではないので、それを踏まえて参考にした方が良いです。

奏法に関する本や雑誌記事を読みあさる

偉大なロシア人のピアノ教師や、国内外のピアニストが書いた本には、奏法や教育について書かれていたりします。
また音楽雑誌では、手の故障や痛みの原因、腱鞘炎につい書かれてる記事もよくありました。ある時本棚の整理をしていたときに、ふと見かけた10年前の記事を見て、それを書かれた先生に突然連絡してレッスンをしてもらった事もあります。

根本原因の解決にはならなかったけど、後々、ピアノを弾くことへの理解ができてきたころに、仕入れた考えやアイディアが活きてきて、自分がレッスンをする立場になっても役立っています。

アレクサンダー・テクニックの講座に参加

②の雑誌を読んでいたときにアレクサンダーテクニックの存在を知りました。
身体や身体の使い方に関して、とても興味深く勉強させていただきました。
ただ、やはり身体の使い方だけにフォーカスしても根本的な解決にはならないかな、と思いました。

手の痛みについて記事を書いていた先生のレッスンを受ける

②で10年前の記事を偶然見つけてレッスンをお願いしましたが、力を抜いてタコのように。。汗 と言われて。。当時は参考には。。なりませんでした。。

その時は奏法よりもっと根深い問題を抱えていたのですね。。
今なら、先生が何をおっしゃりたかったのか分かります。

指の強化に特化した先生のレッスンを受講

紐つきの小さい重石袋を重さの段階を付けて作って、それを指につるして、指の独立や強化を目指したり、指を広げるアイテムを使ってみたり。

これは、役に立ったのか立たなかったのか、よく分かりませんが、数か月続けました。

腱鞘炎の直接解決にはつながらなかったです。

分析能力を上げる

元々、腱鞘炎の解決のために、とは考えてませんでしたが、本を読みあさったり、ピアニストやトップアーティスの考え方や情報に触れてると、彼らの音楽や作品に対する知識の深さにも触れるようになり、これは、もっと勉強しないと。。と焦り、先生についてやり直しました。

結果的にこれが、腱鞘炎解決の大きな要因になった訳です。

分析すると、必然的に頭その作品について考える時間が増えますし、ガチガチに力を入れて弾いていたものを完全に脱力したときに、どうピアノを弾けばいいのか、どこに集中して練習していけばいいのかの道しるべにもなりました。
そして、指は、頭にあるそれをコントロールして再現するもの、ということが実感として分かってきます。

さいごに

色々な分野の一流の人達がインタビューで語っていた印象的な言葉を記します。
その時の私にとっては衝撃的で、一生胸にあるものです。

ダニエルバレンボイムがインタビューで話してたのは

「ピアノを弾くというのは、頭、心、お腹が大事で指は20パーセントくらいの役割だ」

スーパー外科医

「手術は指先でなく、頭でやるんです」

一流バレリーナ

「脳が身体、指先まで全ての指令を出すのです」

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