レッスンアイディア「拍子を感じる大事さ」

拍子を感じて弾く。

当たり前のことですが、意外と見落とされがちな要素。

こちらが言わなくても素で出来る子もいますが、大半は助言が必要かなと思います。特に年齢が上がってきたり曲の難易度が上がってくると、この拍子感がなくなるケースをよく見ます。

平面的に、1,2,3 や1,2,1,2 と拍を数えることはあると思いますが、それだと、ビートを感じるのがなかなか難しいです。

そもそも、1拍目2拍目3拍目は平等ではないですよね。心臓の鼓動もドッくン、ドッくン、ととても立体的にリズムを刻んでます。この拍というのは音楽の心臓のようなものだと思うので、常に生きて音楽の奥底で存在するべきです。

基本的には、3拍子の場合1拍目に、4拍子の場合、1拍目と3拍目(1拍目よりは軽く)に重みがきますね。

2拍子 ⚫●   

3拍子 ⚫●・  

4拍子 ⚫・●・

あとは、縦の線を意識して、

2拍子 ダウン アップ

3拍子 ダウン アップ アップ

4拍子 ダウン アップ ダウン(軽) アップ

これを意識して、手拍子でやってみます。自分の手でもいいですし、子供と向かい合って、1拍目を自分の手で、2拍目以降は子供と先生の手を合わせてタッチする形でも楽しいです。

この他に、

童謡を歌って、拍子がある場合、無い場合の違いを比べたり、踊ったり。。出来る子は指揮をやってみるのも、子供に拍、拍子の大事さを認識してもらう手段となります。

♪今日も楽しいピアノレッスンを♪

レッスンアイディア「指の形-なぜ指先を丸くするのか」

ピアノを弾くときに大事な指の形。丸くしましょう、というのはよく言われることだと思うのですが、ただ形だけが丸くなってれば良いという認識だと、手首や腕がガチガチに固まる、という本末転倒な状況に陥ってしまうことがあるので、観察力と注意力を最大限使ってレッスンに望みたいところです。

画像で見てみます。まず悪い例から。写真だと分かりにくいですが、指先は丸い形ですが、手首がブロックされてる状態。

悪い例

次に良い例。これは指先は丸く、手首の力は抜けて腕も楽々です。

良い例

写真で見ると違いが分かりにくいですが、音を聞くと一目瞭然ですし、もちろん、触ってみると悪い例は石のようにカチカチになってるのですぐに分かります。

子供は先の悪い例に陥っていてもなかなか気が付きません。根が真面目な子ほど、丸く、にばかり囚われてしまいがちですので、先生が気をつけてあげないといけないところです。

なぜ指先を丸くするのか

音色のコントロール、手首、腕を自由にするために指先の第一関節が大事なんですよね。そこが、反ってしまっていると、身体、腕のバランスがとれず支えがなくなってしまうので、手首や前腕などでバランスをとろうとして、そこに疲労が溜まったり、痛みが出てきてしまいます。

自由になるために、多彩な音楽表現が出来る準備をするために、初歩での指の形の指導があるわけで、そこを潰してしまっては意味がありません。

脱力して指先を丸く

指先を丸くして力が入ってしまう子は、形だけに気をとられて、リズムや拍にのれていないことが多いです。呼吸も止まり音楽にのれていません。

呼吸、拍、フレーズ、腕の使い方と、総合的に見て指先のレッスンもしていきます。

♪今日も楽しいピアノレッスンを♪

手のフォーム

演奏フォーム、すごく大事です。稀に、自然に良い形で弾ける子もいますが、大半は上手く指導しないと、いわゆるダダ弾き、指もベタベタ、手首も腕も使えてない、音楽的に弾く、というところからは程遠いスタイルに陥ってしまいます。

方や、指だけとりあえず丸くしなさい、をひたすら注意した結果、指先はネコのように丸くしてるけど、手首がガチガチで、腱鞘炎になるために練習してるような痛々しい弾き方になってしまってる例も度々みてきました。これでは、何のために指先を丸くしてるのか。。本末転倒です。

私自身教え方を模索していたとき、たまたまyoutube で見つけた、tales of a musical journey の先生がやられてるレッスン方法が良いなと思い、アレンジして取り入れさせてもらっています。

レッスン方法

100均で買える、プニプニボール、を使用します。(子供たち、プニプニが好きなので集中がかけないように注意笑)

100均で買えるプニプニボール

これを手のひらにのせて、丸い形がつぶれないように手を丸くします。

①のように、ボールの丸が潰れないように優しく手のひらに持ち、丸める

②では、その形のままひっくり返す。ここで、ボールが落ちないように先生が軽くサポート

③④息を吸いながら、その流れとともに生徒さんの腕を膝から鍵盤へ持っていく。

⑤息を吐いて鍵盤の上に到着。ボールの形が潰れないようにボールを回す。腕、手首は自由な状態。

鍵盤上で手首と腕を楽にしながらボールを回す。

⑥⑦⑧鍵盤からお膝に手を戻すときも息を吸いながら、子供の腕をサポート。

⑨では息を吐いてお膝で着地という流れです。

他の楽器と違って、鍵盤を押せば簡単に音がなるピアノ。だからこそ、音楽的な流れ、呼吸がとても大事になってきます。

♪今日も楽しいピアノレッスンを♪

レッスンアイディア「3種類の音読み カード」

初めてのピアノレッスンの最初にくる関門は、音読みと言えるかと思います。
初期の音読みと一言でいっても、細かく段階があって、

①ト音記号のドレミ
②ト音記号の(ドレミ)ファソ
③ヘ音記号のドシラ
④ヘ音記号(ドシラ)ソファ
⑤ト音記号高いド、ヘ音記号低いド
⑥ト音記号の(ドレミファソ)ラシ、ヘ音記号(ドシラソファ)ミレ

などなど。

これのどの段階で関門と言えるのかは、その子によってそれぞれですし、すんなりいく子もいますね。

基本的には、楽譜と「ソルフェージュとリズム」の本を使いますが、カードも投入すると、子供たちの気分も変わり、ゲーム感覚で集中してやってくれるので、効果は高いです。

他にも、音の色ぬりやシールをはるなどやり方はたくさんありますが、今回は、3種のカードのご紹介です。

■1つ目


音の連続

■2つ目

和音でとらえる

■3つ目

一音ずつ

3種類のカードは、特にどれからやるかの順番は決めず、その時のそれぞれのレベル、状況によって使い分けたり組み合わせています。 

3種カードの使い方のポイントは、スピード感覚

何番目の線だから、とか、ドの上、何の音の下だよ、など細かく説明し過ぎず、感覚的に反射的に音名が出るように、生徒が答えに詰まったら、一瞬待って様子をみて答えをすぐ言ってしまい、何度も何度も繰り返し同じカードをテンポよく見せて答えを言っていきます。

使い方

①1つ目の、音の連続カード。ドやレだけ、ドレミの組み合わせなど進歩状況によって音の数を増やしていきます。

ト音記号だけ、ヘ音記号だけ、ができたら、今度は大譜表で、音を組み合わせます。

子供によっては、音符の色や音符そのものの大きさによって、同じ音でも違うものとして捉えて読めなくなってしまうので、進んできたら、小さい音符にしたり、黒塗り音符や白ぬき音符など工夫します。

②2つ目のカードは、和音で音名をとらえます。黒で塗ってある音符の名前を言っていきます。塊の数を減らしていって、最終的には音符1つずつでもスラスラ音名が出てくるように。

資料はドミソの和音だけですが、ト音記号🎼ソシレ、ファラド、ヘ音記号ドミソ、ソシレ、のカードも追加しいきます。

③3つ目のカードは、見ての通り一音ずつ書かれてるものです。

これを最初は2,3枚から始めて、どんどん増やしていきます。これもテンポ感が大事です。ピアノの先生の友人は、1分間にどれくらい読めるかを毎回記録してるそうです。ゲーム感覚で楽しいですよね。

まとめ

特に初期の頃のレッスンは、同じことを繰り返し繰り返し言っていくことが大事ですが、ただ伝えるだけでは子供も飽きてしまうので、いかに楽しくのせてレッスンできるか。。「工夫と待つこと」これが鍵です。

過程だけ経て、身に付かないまま先に進んだ先は悲劇です😭😭

しっかり基礎が身に付いた後のレッスンは、まぁ✨なんて楽しい✨

♪♪今日も笑顔溢れるピアノレッスンとなりますように♪♪♪

レッスンアイディア「4つの言語で歌う音階」

レッスンの最後には、音階を歌っています。
音程をとる練習にも、また音の並びを身に着けるのにも役立ちます。
イタリア語ドレミファソラシド」ではもちろんですが、その他に、
英語、ドイツ語、日本語の4つの異なる言い方で歌っています。

①イタリア語
 ドレミファソラシド
②英語
 CDEFGABC
③ドイツ語
 Cツェー、Dデー、Eエー、Fエフ、Gゲー、Aアー、Hハー、Cツェー
④日本語
 ハニホヘトイロハ

①イタリア語
ドレミがメインで使われている状況だと思うので、まず、これは外せません。

②英語
これから英語もメジャーになってくると思いますし、今後英語圏に子供が進学する確率も高まってくると思うので、英語でも音符が読めるようになるといいと思います。
また、コード譜が読めるようになりたい、と勉強始める際にも英語と音が結びついているとスムーズにいきます。

③ドイツ語
クラシック界隈ではマストですね。音高、音大の先生方等はレッスンで音名をいう時はドイツ語を普通に使います。
また、コンサートプログラムやCD、ラジオなど調声を表すときはドイツ語ですし、楽譜検索のときにも使います。

④日本語
日本の学校での音楽の教科書では、この、ハニホヘ、が使われてますし、今後、楽典の勉強をしていくときにも頻繁に使用するので、小さいうちから慣れておくと良いと思います。

この音階方法を毎回毎回半年から1年程続けていると、子供は自然と身に着けていきます。
ここから、歌うだけでなく、実際に楽譜を見ながら言語をチョイスして読んでいったり、調声の勉強に進んでいくのも良いと思います。

リズムを変えて伴奏をつける

音階を歌うときに、ピアノで伴奏を付けていきますが、言語の性格によって、形態を変えていっても楽しいです。
例えば。。


①日本語→スラー
②英語→付点リズムなどリズミカルに
③ドイツ語→和音に厚みをつけたり、低音を使って力強く
④日本語→可愛らしく

他にも、
・スタッカートを取り入れる
・生徒と先生で交互に音名を言っていく
・2オクターブ、3オクターブでドレミファソラシドをいう
・ドでなく違う音から始めてみる

などなど

子供の様子を見ながら、子供とお話ししながらやっていきます♪

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