シニアのピアノ、心の健康

私の生徒さんの中で1番ご高齢の方が74歳のシニアの生徒さんなのですが、その方を見ていて改めて生き方や人生と音楽について考えることがあるのでそれを書いてみたいと思います。

人生はあっという間で、必死に成長して、もがいているうちに時間はどんどん加速度的に過ぎていきます。。いくような感覚がします。

ふと、人間の生きてる理由ってなんだろうと考えることがあります。

人生は修行の旅とか、魂を磨く旅とかいう言葉はありますが、でも、苦しむためというよりは、幸せのために生きるんだという風に私は思います。

だけど、苦しいことはやってくるというか常に傍に存在しています。

だからこそ、幸せを感じる何か、手助けをしてくれる存在、というのが人には必要なのではないかなと思います。

それが、友達の存在であったり、スポーツ、ダンス、園芸、アート、料理などなど、そして音楽も。

それはもう人それぞれですね。

これらは経済の面で言うと、お金を産むわけではないですが、だけど、精神面の充実という生きていく上でとっても大事な面を支えてくれます。

それは現役時代ではもちろんのこと、お仕事を引退したあとにも、お仕事は続けながらシニア世代に入った方々にもそういった存在がとても必要なんじゃないかと思っていて、人間、生きている目標や意義といったものが感じられなくなると気持ちがしずみがちになり、ひどくなると心が病気になってしまうことも多々あるんだと思います。

音楽でもなんでも、それをやること、そのもの自体を楽しむということはもちろんありますが、人間の本来の喜びとして、新しいものを知る喜び、学びを深める喜び、上達していく喜び、があると思います。

それらを日々実感できると生きていく上でそんなに心が病むことはないのではないかなと思います。

’クラシックピアノ’というカテゴリーで言うと、クラシック音楽は底知れぬほど奥と幅が広く、最初のひとかじりだけでも膨大にやることがあります。それを指導者と一緒になってそのひとかじりの範囲を広げていくこと、また少しずつでも、努力を積み重ねていけば、確実に上達する実感を得られることが出来ます。

また、音楽をやっていく上で大事な根幹は、人生や他の分野での学びとつながっていることなどなど飽きることがありません。

冒頭お話したシニアの生徒さんとの会話で、印象に残る会話のフレーズで、

“ピアノを弾くということは、自分の身体のいろんな部分や感覚をコントロールすることなんですね”

といった内容のことがあります。

もちろんピアノと直接触れあうのは指であり、指を動かしてピアノを弾くわけですが、音色のコントロールやスムーズに指を動かすためには、背中や腕の意識、手首の使い方、呼吸、耳で音をよく聴いて弾かなくてはいけません。また、拍子を取りながらリズムを感じて、フレーズを歌わせて、、またイマジネーションを豊かにするために、作曲家のことを知ったり、色々な音楽を聴くことも大事ですね。

それらをいっぺんにやるのではなく、少しずつ少しずつ繰り返し取り組んでいくことでだんだん意識と身体に馴染んできます。

なかなかこういったことを普段の生活で総動員して行うような行動はなく、ピアノと向き合うからこそ得られる、感覚、意識、身体の使い方なのではないかと思います。

私の知り合いの先生の生徒さんの中には80歳を超えてショパンを弾いていらっしゃる女性のお話を聞いてなんて素敵なんだろう。。と感嘆しました。

私のシニアの生徒さんも、毎回楽しそうにレッスンを受けてくださっており、新しい発見や、また出来ないことへのもどかしさなど講師である私とあーだこーだと話し合いをしながら、成長度合いを喜び、日々ピアノと向き合っていらっしゃいます。

私もお話の中から多くの学びがあり、よりレッスンを良いものにしようと意欲が向上します。

ピアノが心の拠り所となる幅広い年代の方と出会えるといいなぁと日々思っています。

ピアノ・ヴァイオリン発表会

6月後半のことなんですが、目黒パーシモン小ホールで「ピアノ・ヴァイオリン発表会」を開催しました。その時のみんなの演奏写真や集合写真、希望した生徒さんたちにはCDが出来上がってきたのでお渡ししているところです。

つい1ヶ月半前のことですが、遠い昔のことのように感じるとみんな言っています笑

発表会という場がかなり日常生活とは離れた空間になっているので、そこから切り離された時間との乖離を強く感じるのかもしれません。

今年は親子共演がたくさんありました👪✨

♪ピアノ(子)✖️ピアノ(父または母)
♪ヴァイオリン(子)✖️ピアノ(父または母)
♪ヴァイオリン(子)✖️鍵盤ハーモニカ(父)

例年は、子供どうしの連弾や講師との連弾が多いですが、コロナ禍にあり、お友達どうしの連弾は避けた状況というのもあり、特に子供とパパかママのどちらかとのピアノの連弾が多かったです。

本番が近づいてくると、子供たちにも増してパパママの方が必死にさらっていたようで、本番は特にパパさんたちが緊張していました笑

子供達は、ひとりで弾くよりもパパママと一緒に出る方がリラックスできるのか、練習通りしっかり弾いていて、本番後も満足気でした。早くも次の発表会を楽しみにしているようです😆✨

本番が近づくにつれてだいたいみんな追い込まれるし(早め早めに曲決めはしてるのになかなかエンジンがかからない😂)家庭、本人、講師の連携プレーでなんとか本番を成功させようともがく期間はみんなきついけれども、みんな必死にやるほど良い演奏をするんですよね。。そして本人も満足し楽しかったからまた頑張る、というこの好循環の連続でピアノが上達していきます。

この過程が上手くいくと“自己肯定感も向上”するように感じます。
‘本番に向かって努力を積み重ねた自分’と、‘緊張の中本番を成功させた自分’が存在するようになり、小さい頃からこの過程を繰り返していくことでメンタルも鍛えられ、自分を信じる力が育っていくのではないかなと思います。

あとは、小さい頃から本番に臨むことで、舞台を楽しむ気持ちを持てるようになって欲しいという願いもあります。

みんな舞台裏ではとても緊張しているのですが、本番後に生徒さんたちから

「緊張したー!でも楽しかったー!!😆」

という声を聞けたときが本当に嬉しいです。

もちろん発表会で不本意な演奏をして悔しい思いもすることもあるかもしれません。だけどそれを恐れて何も挑戦しないでいるより確実に成長しているし、その経験を糧にして次に向かってまた頑張ることで、心も鍛えられて逞しく生きていける人になって欲しいなと思います!!🔥


1番大好きな習い事  

最近、海外移住する生徒が増えてきました。

コロナ前に海外移住の話しが出ていた生徒さんも何人かいたのですが、コロナのせいでその話しが延期になっていました。

その生徒さんたちが最近、海外に移動し始めています。

別れが近づいて、練習量が増えた女の子、アフタースクールのお別れ会で、「僕の1番大好きな習いごとはピアノです!」と発表してくれていた小学5年生の男の子。

それぞれみんなとレッスンや発表会での思い出などが蘇ってきて、こっそり涙してしまっています。

このコロナ禍の約2年ほどの間にも、みんなコツコツと練習を積み重ねて大きく上達し、心も身体も成長しました。

心と身体の成長とともにピアノが上手になり、またピアノを弾くことで心を含めたその子自身の成長を助長してくれてるといいなと思いながら日々レッスンしています。

ピアノが弾けること、上手になること、またはピアノのレッスンそのものがその子の日々の生活の中での喜びや楽しみの一つになってくれたら嬉しいことこの上ないです。

みんな、海外に行ってもピアノを弾き続けて欲しいなと心から思います。

オンラインで演奏を聴かせてくれる約束をしている子もいるので、それを楽しみにみんなを笑顔で送りたいと思います。

みんなの将来が楽しみです!!

練習嫌いの原因

ピアノ上達の鍵となる“練習”

“うちの子練習しないんです”

このご相談は安定していつもありますね。

かくいう私も小さい頃は練習嫌いで毎日、激しく母と喧嘩していました笑

頭ごなしに

「 練習しなさい!! 怒 」

と毎日伝えても、練習したくない原因というのは色々だなと生徒たちの様子を見て思うので、ここに練習嫌いの原因をいくつかまとめて書いてみます。

対処法にも触れていきます。

練習したくない!の原因

①楽譜が読めない
   ・音符が読めない
   ・高さが分からない
   ・リズムが分からない
②曲が好きじゃない、レベルがあっていない、飽きている
③そもそもピアノが嫌い
④日常の中に練習を取り入れるリズムができていない
⑤保護者に「練習しなさい!」と毎日怒られる

ザクっと5つに分けてみました。
ではここから項目ごとにより詳しく書いていきます。

①楽譜が読めない

練習を自分でやろう!と思っても、そもそも楽譜が読めなければ、練習が出来ません。。例えば、アラビア語でもタイ語でもなんでも、全く知らない言語の本を読んで理解しなさい!と言ってるようなもので、その本が目の前にあって例え文法の説明が添えてあったとしても、3分もたてば大人でも眠くなってきてギブアップ!になってしまうのではないかなと思います。脳の理解が追いつかないですよね。。

子供が楽譜を読めない要因というのも、色々です。

レッスンでは、一見弾けているように見えるのに、実は耳で覚えていたり(先生やママが弾いてくれてるのをみて聞いて覚えてる)、音符ではなく指番号だけをみて弾いていたり。。汗 この、耳が良くて聴いて記憶できるというのはとっても良いことですが、それだけだと誰かが事前に演奏してくれないと何も弾けないことになっちゃいます汗 

このように。

よく確認すると実は全然音が読めていなかった!ということが起こります。特に気をつけないといけないのは、お家でママがよくピアノが弾けて練習もいつもみてくれている場合‘とにかく弾けるように’、ということに気を取られてしまい、音の名前をや弾き方を全部口移しのように言ってあげて弾けるようにしてレッスンに臨んでいる場合は要注意です。初級のうちはまだそれでもどうにかなりますが、レベルが上がっていくうちに、そのやり方が通用しなくなっていきます。

そしてだんだんと練習が嫌いになり。。だって自分では何が書いてあるのか分からないから!!分からないからやりようがない。。

②曲が好きじゃない、レベルがあっていない、飽きている

今取り組んでいる曲がその子にとっては合っていないから練習したくない原因になっている場合も往々にしてあります。

楽譜によって、おさめられている曲の傾向や性格が違います。全ての曲が気に入るということはありませんが、方向性がのその子に合っていることが大事です。もし、合わないようであれば、その楽譜は不要になってしまうかもしれませんが、違う楽譜に変更することが好ましいです。

そして、レベルが合っているか
これももの凄く大事です。どちらかと言うと簡単すぎる場合は、やっている子にストレスを与えませんが、反対に難しすぎる場合は練習嫌いの大きな要因になります。ただ、簡単過ぎても上達速度が遅れるので、すこーしだけ頑張ったら出来る程度のレベルの楽譜を選ぶのが良いですね。

最後に、弾いている曲に飽きている。。
これも、練習、、したくなくなりますね。。これは前述した、レベルが合っていない、とも関連しますが、取り組んでいる曲がレベルが高すぎて、所謂“合格”レベルにいつまで経っても到達せず、何週間あるいは数ヶ月間同じ曲を延々と弾き続けるというものです。私もやってしまわないように気をつけていますが。。
正直、教える側としては「よく弾けたね!」と言って合格をあげたいものです。何度も間違えて、つっかかって最後の音も間違えた状態でオッケーを出すことが出来ない、といいますか、これで良いのかな。。と思ってしまいます。でも、練習意欲の低下、ピアノそのものが嫌いになっては本末転倒なので、合格基準は人それぞれ、年齢、学習時間、器用か不器用かなどその子の性質によって判断していくべきですね。


③そもそもピアノが嫌い

そもそもピアノが嫌い。ピアノが自分に合っていない。
もちろんそういう子はたくさんいるでしょう。
以前、訪問レッスンをしていた6歳の女の子がいました。ピアノのレッスン中は気がそぞろで、弾いては何かしゃべるしゃべるを繰り返し、なかなか進みませんでした。ある日、どうしたものかと思いながらお宅に向かったところ、その子がマンションの敷地内にあるスペースでお友達の男の子たちとサッカーをしているところを見かけました。するとまぁ、目の輝きが全く違って、真剣な眼差しでサッカーに熱中していました。ピアノのレッスンそしている間の顔つきとの違いを今でも鮮明に覚えています。彼女は程なくして辞めていきましたが、その選択は彼女にとっては良かったんだと思います。

ただ一つ言いたいのは、たとえその’ピアノを弾く’がその子に合っていない事柄だったとしても、性格に適正があれば、ある程度のレベルまではいくことが出来ます。例えば、コツコツ取り組むことができる、目の前の課題には実直である、ピアノを弾くことが習慣化している、などです。

外国語を学ぶのと同じように、大人になってからよく聞く話しで、

「小さい頃にピアノを習っておけば良かった。。!」

大人になってからピアノを弾けていることで損なことは一つもないと思っています。当たり前ですが、過去には戻れないので、この子供時代の貴重な時間にピアノを続けるかやめるかの判断を慎重にして欲しいなと思います。


④日常の中に練習を取り入れるリズムができていない

生徒たちを見ていて思うのが、上手く練習出来ている子は、練習が毎日のルーティーンの中に入っているということです。それか、そもそもピアノが好きか。

ピアノが好きで自分でどんどん弾く子は苦労しないと思いますが、大変なのはそうではない場合ですよね。

ご家族と子供とで話し合って、どの時間帯に練習するのか決める。


例えば、学校行く前の朝の時間、起きたらピアノのところに行く、という習慣がある子は強いですね。


勉強のスケジュールの合間に5分10分でも毎日弾く子は少しずつでも進歩します。その成果が目に見えてくるのが、例え5年後だったとしてもその時は来ます。

逆に、ピアノを弾くと言う習慣がいつまでも身につかない場合は、言わずもがな。練習しなければ、ピアノは決して上手くならず、練習する気もいつまでも起こらず、どんどんピアノに対する興味や意欲が無くなっていくという負のループに陥ります。

⑤保護者の方に「練習しなさい!」と毎日言われるから

ピアノは好きなんだけど、レッスンも楽しいんだけど、ピアノを辞めたいと言い出した子がいました。お母さんと私とその子で、一度よく話し合いました。
そうすると、お母さんが毎日「練習しなさい!」と怒るのが嫌だからピアノを辞めたい、と言う理由でした。

そうだったの。。

というお母さんの驚きがありました。

難しいですよね。練習しないと上手くならないし、せっかく習ってるなら上達して欲しいし、なのにこのまま言わないと練習しないし。。

モヤモヤモヤモヤモヤモヤ

練習しなさい!と怒りすぎてピアノ自体が好きでは無くなったら本末転倒のように思いますが、一概に厳しくするのが悪いとも言えません。今、音楽で活躍している人たちの幼少期の話を聞くと、小さいころのお母さんからの教育はスーパー厳しかったと言う人がたくさんいます。

因みに私の母も怖かったです。そして毎日飽きずに喧嘩してました笑
だけどピアノは辞めませんでした。そして練習もし続けました。
理由はなんでしょう。。ピアノ自体は一貫して好きだったからですかね。
あとは、コンクールというやるべきこともあったし、習ってた先生が怖かったので恐怖で練習していたという時期もありました。

なので、思うことは。。

やはりその子一人一人の性格と状況と様子を伺いながらどう接するか判断してく。そしてピアノの先生にも相談する。

のが良いと思います。

練習したくない、と思い詰めたら様子ならその理由をピアノから離れてよく話し合ってみる。声がけの頻度やタイミングを変えてみる。ピアノの先生と子供と話し合う。など対策を色々試してみるのが良いです。

もし、惰性で練習しないのであれば、そして練習すれば上手くなるということがはっきり分かっているのであれば、厳しく接するのでも良いと思います。

褒めて伸びるタイプであれば、毎日、〇〇ちゃんのピアノが聞きたいな!とニッコニコで言ってみる。そして弾けたらたくさん褒める!

どうか皆様のピアノライフがハッピーなものでありますように!!

ピアノのレッスン時間はどれくらい

ピアノのレッスンを受けるにあたって、1回のレッスン時間はどのくらいで受講していくかと言うのは結構考えることだと思うので、これまでたくさんの生徒さんをみてきた上で私の考えを書いてみたいと思います。

ピアノのレッスン時間ですが、一般的に、

30分、45分、60分、90分

と設定しているところが多いのかなと思います。

お教室や先生によっては、

40分、50分

としているところもあるかと思います。

レッスン時間の選択は、やはり人それぞれ、年齢、意欲、能力、集中力、レッスン内容を考慮して決めていくのが良いですね。また、その時の進度や先生の指導方針によっても変わってくるので、体験レッスンをして先生とよく話しあって決定していくのが良いです。

私の生徒さんの例で、4歳で始めた当初は30分からスタートした子も、5歳で45分、6歳で60分、7歳で90分レッスンとなっている子もいます。(楽譜を10冊くらい同時に弾いているので少し特別ですが。。)または幼稚園生の時に30分でスタートして小学3年生になっても30分のレッスン時間のまま続けてくれている子ももちろんいます。

では、

時間別で内容の違いを見てみます。

♪30分レッスン

楽譜2冊、ソルフェージュ1冊

・バーナム、ル・クーペ(テクニックの本)
・ぴあのドリームやオルガンピアノの本(小品集)
・リズムとソルフェージュ

導入や初級の段階ですと、指の使い方、身体の使い方、楽譜の読み方など説明することがたくさんあるので、教材としてはこの3冊でいっぱいいっぱいかなと思います。

♪45分レッスン

楽譜3-4冊、ソルフェージュ1冊

・バーナム、ル・クーペ
・ぴあのドリームやオルガンピアノの本
・ソルフェージュ
・やりたい曲
・基礎力向上の本(指のトレーニングの本、子供のハノン)

基本の3冊に加えて、本人が弾きたい曲や、教材というより弾いてて楽しい曲が乗ってる楽譜を使ったり、またはテクニック強化のための教材を加えたりします。あとは耳のトレーニングに少し時間を取れたりします。

♪60分以上のレッスン

・ハノン
・バーナム、ル・クーペやツェルニー
・ブルグミュラー
・プレ・インベンション、インベンション、シンフォニア
・ソナチネ
・ソナタ
・その他

60分以上になると、選択肢が増えますし、進みがよくなりますね。あとはコンクール前になると、課題曲に集中!ということにもなります。コンクールを受けるような子は最低でも60分は必要です。

まとめ

レッスン時間については、全くの初めてであれば30分から始めて、様子を見ながら時間を長くしていくのも良いと思いますし、ある程度経験があったり、小学校3年生以上で始めるのあれば、45分、60分からのスタートでも良いと思います。年齢が上がってくれば理解力も高まりますし、なるべく早い段階で基礎をしっかり学んだ方が良いと思います。

やはり長い時間の方が1度に出来ることが増えますし、コミュニケーションが取りやすいですね。学校での様子を聞いたり、興味があること、好きなこと、苦手なこと、今聞いてる音楽などを知ることで、教え方の工夫をしたり、どこまで厳しく指導するかの判断をしたり、または発表会やコンクールで弾く曲を決めるのときの判断材料になったりするので、ピアノの弾き方で終始しない、というのも良いレッスンにしていくポイントになります。またそのようなコミュニケーションがあることで、生徒さんも心を開きやすくなり、お互いの信頼関係を築いていきやすくなります。

ただ、本人のモチベーションはそんなに高くなく、だけど嫌ではないので細く長く続けたい、といった場合は、30分のレッスン時間で十分かと思います。宿題や練習量が本人の負担にならないように上手く調整してくことが本人やご家族にとっても良い方法なのかなと思います。

結論、生徒さん、親御さん、講師で上手くコミュニケーションをとってレッスン時間を決定し、様子を見て調整していって行くのが良いと思います。

演奏会でピアノを弾くということ

発表会でもコンクールでも何か本番があると、みんな必死に練習します。
でも多くの人が、何に必死に練習しているかというと、間違えないように、弾けないところが弾けるように、休符に気をつけて強弱に気をつけて。。(かく言う自分も。。汗)

もちろん、とっても大事なことです。

だけど、音楽をやる本当の目的はなんなのか、ということを見失ってはいけません。

正しく間違えないようにするだけならロボットがやればいいんです。

バリバリと技巧的に上手く弾くのを聞いても、すごいことは分かるけれど、何も感動しないし、気持ちが動かされない演奏、というのはよくあることです。(何様なんだ自分。。)

人前で演奏するのは、何かを表現して共有するためであって、正しく弾くのを聞いてもらうためではありません。(でも、人前で間違うのは嫌ですよね。。)

もちろん、聴衆のことは関係なく自己満でいいと言う思いで弾く人もいると思いますが、聞いてる方は、そういう演奏は聞いてるようで耳に入ってこないですね。それって人前で弾く意味は、、あるのでしょうか?みんなの時間を使う訳なので、自己満なら家で1人で弾いとけば良いのではないかなと思います。

私の考えでは、ミスがあったとしても、なんか良かった、感動した、そう思えるような演奏の方が聴きたいし、その演奏に出会えて良かった!と心から思えます。(だけどノーミスで弾きたい!ですよね。。難)

昔々、NHKのアートの番組で司会の方がおっしゃっていた言葉で、演者には2種類あって、

“1つは、舞台上で、自分の世界に観客を引き込むタイプと、自分の世界を観客に向けて一緒に共有するタイプ”

昔過ぎて正確には覚えていませんが、大体こんな内容のことを話していました。前者はベクトルが自分の内部に向いていて、後者は観客に向いていますね。

私個人はどちらかというと前者ですが、どちらでも良いと思います。とにかく表現すること、音楽を感じること。

その喜びを舞台で感じられたら本当に最高です!!
生きていて良かった✨とさえ思えます。

そんな思いを生徒さんたちにも味わって欲しいなぁと思います🕊✨

新年明けましておめでとうございます!

🎍 HAPPY NEW YEAR 2022!!🎍

また新たな年の始まりですね。今年もまた色々なことが起こりそうでドキドキしながらもワクワクしながらも気を引き締めないと、という思いです。

と同時に、プライベートでも興味があることには楽しんで挑戦してみようかなと思っています。

ワークライフが一体化してる私ですが、“ライフ”をもっと大きな視点で捉えて、その中にワークが含まれているイメージで、“ライフ” 全体の質をもっとあげていきたいというのが私の目標です。

コンサートに行ったり、絵画をみたり、自然の中に出かけたり。。

日本の文化にも触れていきたいですね。

また仕事に置いても失敗を恐れず挑戦を続ける。

生徒さんのレッスンでは、

・それぞれのちょっと上のハードルを超える
・発表会、コンクールでも、正しく弾くに囚われずその先の音楽表現に軸をおいて練習すること
・基礎がまだ身についてない子はとにかく基礎!

これらを意識していきます。
コンクールや英国王立音楽検定を受験する子たちがいますが、やるべきことをやれば結果は自ずとついてくると思います。

また新たな1年、楽しみです✨

皆様のご多幸をお祈り申し上げます✨
本年もどうぞよろしくお願い致します。
たくさんのご縁がありますように!

コンムジカピアノ教室
野田佳奈美

今年も最後

今年も残すところあと数時間となりました。2021年もあと少し。。
皆様にとって2021年はどんな年だったでしょうか?
まさかコロナがここまで本当に長引くんだ、、という思いとともに、目の前のことを一生懸命、小さな決断を繰り返すうちにあっという間にここまで来ました。

今年はたくさんの新しい生徒さんたちとの出会いがあり、昨年は開催出来なかったピアノの発表会も感染症対策に対策を重ねた上で無事に開催でき、コンクール参加もでき、レッスンも対面で行うことができました。昨年は出来なかったことを形を工夫しながらも出来たことは本当にありがたく喜びでした。

反面、

コロナの弊害で、引き続き、海外にいる友人、知人とは長いこと会えないまま、あとは家族の間でも哀しいことが起こったりと、この状況を恨めしく思ったことも確かです。

でも何があっても事実を受け止めて、歩みを止めず前に進むしかないなということを胸に年越しをしたいと思います。

限られた人生の時間を噛み締めながらまた来年度を宝物の時間にしていきたいと思います。そして音楽とともに生きていくことがなんと幸せなことか。

みんながどれだけ成長していくのがとっても楽しみです!!

ブログを訪れて読んでくださった皆様、本当にありがとうございます!!

どうか素敵な年越しをお迎えくださいませ!

コンムジカピアノ教室・ピアノ講師
野田佳奈美

ピアニストの呼吸について:ピアノは無呼吸でも弾ける?

無呼吸でピアノを弾いている子供たちが多いので🥺そのことについて書きたいと思います。

そもそもピアノという楽器は、息を吸わなくても指を動かすだけで弾けるし、曲を形にして弾けてしまうものです。もちろん、その弊害は伴いますが😥

フルートやクラリネットなどの木管楽器、トランペットなどの金管楽器、また身体が楽器となる歌はそうはいきません。音を出す前に息を吸い込み、息を吐いて音を出す、そしてまたタイミングを見計らって息を吸い込んで、音を出すために息を吐く。これの繰り返しです。直接的に音を出す手段が呼吸となります。一方ピアノは息を吹けば音が出るのではなく、指を動かして鍵盤を押していくことが音を出す方法ですよね。

息を使って音を出す楽器は、まず、音を出すことから習い始めますが、ピアノでは音を出すことだけで言ったら赤ちゃん👶でもワンチャン🐶でも出来ます。

そのため、ピアノを習い始めてから呼吸を意識して弾くということが抜けてしまっていることが多いです。

それでも演奏は成り立つことは成り立っています。

では、なぜここでリトルピアニスト達の呼吸について提議したいかというと。。

呼吸ができていないと、音楽的に弾けないから。わかり易く言うと、

“上手に弾けないから”

です。

上手い演奏は、呼吸、身体と指が一体となっています。

逆を言えば、音楽的に弾けてる時は自然と呼吸してます。

例えば、レッスンでよく起こることですが、無呼吸で身体にどこか余計な力が入ったまま弾いていた子に、こちらが音楽の流れを作って腕を補助して弾くようにすると、呼吸をしだします。そして身体から余計な力みはなくなり、音楽が流れ出します。その子は自分がさっきと違って呼吸しているということに意識はいっていないかもしれません。なぜなら無意識下に自然と行っていることだからです。

ただ、

弾いている時に呼吸していないからと、呼吸だけをするように指示してもピアノの場合うまくいきません。不自然な間が空いてしまうか、指に力が乗らなかったり、力んでしまったりします。

順番としては、呼吸が先にあるのではなく、拍子や音楽の流れに乗って、上手く身体が使えているということが1番重要であって、呼吸そのものを目的にしてはなかなか上手くいきません。

ただ、呼吸に注目することから、自らの身体の力みや音楽の流れに乗っていないなどの発見は大人であればできると思います。子供の場合はやはり指導者が、複合的にみて、指導していくのが大切だと思います。

音楽で食べていくのに音大は必要か?

お題の通り、将来的に音楽で食べていくのに音大を出ている必要はあるか、、との問いに対して、、答えは、、NO (T-T)です。※あくまでもピアノの場合です。

それも’場合によりけり’ですが。。

イラストポップ 学校のイラスト | 音楽No23ピアノの無料素材

その’場合’というのを見ていこうと思います。

ケース1

まず、演奏家になりたいのであれば、音大をでる必然性はない、です。
どこの音大を出ているか、より実力や人気がものをいうからです。その実力を証明するのには学校名よりもどのような演奏をするか。一般大学にいようが、フリーターだろうが、社会的な背景は何も関係なく、どんな音楽を奏でるのか、どれだけ多くの人に求められるのか、それが全てです。

自分の演奏を聴いてもらえる機会なんて今の時代いくらでもあって、コンクールに出たり、SNSに自分の演奏を載せたり、自分で演奏する機会を企画しても良いですね。そこで人を惹きつけるものを持っていれば、チャンスを掴めるかもしれません。

このような活動に音大にいってる行ってないは関係ないですよね。その場その場で成果を出してチャンスを掴んでいけば道は開けるでしょう。現に、T大やK大の医学部在学中から音楽家として名が知られている人もちらほらいます。

爆発的な才能がある人は、むしろ日本の音楽大学にはなかなか行かないですね。進学しても一般の授業は受けなくて済むような特別コースに籍を置いて活動するか、小さいうちから海外に行って音楽ネイティブの環境で世界でも通用するような音楽性を身につけていくものです。そこから上手く育っていくのは、環境や運によっても左右されますが、周りがほっとかないです。

後に、もし演奏活動をストップしたり、何かの理由で活動が出来なくなった場合でも、過去の経歴や人気や活動が世間に認知されていれば、いくらでも生徒さんが集まるし、音楽にまつわるお仕事でお声がかかるでしょう。(前もっての人間関係構築は重要ですが)

ケース2

演奏家になれるのは言うてもほんの一握り。演奏家として生きていくためには、ただピアノが上手いだけでは成り立ちません。人脈作り、自分を売り込んでいくタフさ、圧倒的な行動力、またSNSで売っていくなら、キャラや容姿、お喋りが上手いなどの要素が必要になってきます。
ピアノはとても上手いけれど、スターになるほどではない場合は、音大を出ているとメリットはかなりあると思います。音大を出たというバックグランドが得られれば、分かりやすく社会的信用を1ポイントくらい得られますし、人選の際の一つの大きな要素となります。例えば、音大や音高の先生になったり、一般の音楽教室ででも、やはり講師になる人はふるいにかけられるので、どこの大学を出ているかによって働く環境というのはかなり違ってきます。

また音楽大学で得られる友人や知り合いなどの人の繋がりもかなり大きく、私の場合ですが、留学に関する情報や、演奏会や生徒のコンサートの開催、伴奏や演奏会の企画、コンクールに関する情報まで、全て音大時代の友人や先生の繋がりで動いています。また母校から生徒さんを紹介されることもあります。

地球マークイラストのフリー素材|イラストイメージ

ケース3

海外に留学して学ぶ場合は向こうの音楽大学、音楽院に入って学ぶことになると思います。ビザの関係もありますし、練習環境などを考えればそこに籍を置いて動いていくということになるでしょう。ここで音楽仲間と出会って室内楽を組んだり、コンチェルトを学んだり、オペラなどの自分の専門分野以外のことも学ぶ機会があります。また、ここで将来につながる人間関係も築くチャンスがあります。

まとめ

今回は三つのケースをお話ししましたが、どのような選択をするのが正しいのかなんて誰にも分かりません。その環境を上手く使いこなせれば、どの道に進んでも正解です。音大に行っても行かなくても音楽と生きていくことは出来るし、チャンスを作っていくことはできます。ただ選択によっては生き方が変わってきますね。

人生どのように生きていきたいかを考えて、音大に行くメリットデメリットをふまえた上で自分にとって納得いく選択ができたら良いのではないかなと思います。

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